ドラゴンメモリーファンタジーストーリー
昔々、とある王国の王女さまが、「闇なるもの」たちにさらわれてしまいました。困った王さまは、一人の勇者を呼び寄せて怪物を打ち倒し、王女さまを連れ戻すように言いました。囚われの王女さまは「闇なるもの」のもとにいるようです。
勇者はまず、王国の南にある「暗黒の森」へ向かいました。うっそうと生い茂る草木をかいくぐり、迫りくる獣や動物と闘いながら、勇者は森の奥深くへと進んでいきます。
やがて、勇者は「混沌の洞窟」にたどり着きました。王さまによると、この洞窟の奥に王女さまをさらった一味「闇なるもの」の一人がいるそうです。勇者は洞窟に足を踏み入れました。
「混沌の洞窟」は暗闇に包まれ、道は迷路のようにいりくんでいます。襲いくる怪物たちに何度も危険な目にあわせられましたが仕方がありません。これも仕事です。
洞窟を闇雲に進んでいくと、どうやら勇者は運よく最深部へたどり着いたようです。そこにはおぞましい怪物、「闇なるもの」がいました。勇者は有無を言わさず剣で怪物に切りかかります。怪物は強大でしたが、死闘の末になんとか勇者は「闇なるもの」に打ち勝ちました。
でもここには王女さまはいなかったようです。
勇者はすごすごと「暗黒の森」へ戻ってきましたが、まだ希望は捨てません。囚われたのがお姫さまでなく王女さまなのが残念ですが、仕方がないでしょう。これが仕事です。それに、王女さまを救えば国からはたくさんの褒美がもらえるはずです。勇者はちょっと元気が出ました。
勇者はその後王女さまと「闇なるもの」を探し続けました。
「吹雪の山」にも「灼熱の大地」にも「恐怖の海」にも「雷鳴の塔」にも「幻の街」にも「竜の寝床」にも「虎の穴」にも行きました。「闇なるもの」こそいましたが、倒しても倒しても王女さまは見つかりません。
王女さまはどこにもいなかったようです。
どうしようもなかったので勇者はぬけぬけと王国へ帰りました。事情を王さまに話すのです。
王さまに会い、話をしようとしたところ、勇者は王さまから魔物の気配を感じとりました。すかさず剣を抜き、刃を王さまへ向けました。すると王さまはみるみるうちに異形の怪物、「邪悪なるもの」に姿を変えました。
でも長旅の間に凶悪な怪物と何度も対峙してきた勇者にとって、元王さまはあまりに弱かったのです。すぐやっつけました。
勇者は元王さまに剣を突きつけ、自分に一体何をさせていたのかを吐かせました。
これが真実です。
昔々、強くて大きい「闇なるもの」にいじめられていた「邪悪なるもの」は、人間の王さまに変身して王女さまがさらわれたことにし、勇者を呼び寄せて利用し、「闇なるもの」を倒させたのです。
勇者はあきれました。
しょうがないので元王さまをしばりつけ、さらし者にした後、勇者はその国を去りました。本物の王さまと王女さまはトランクにつめ込まれていたようです。
結局、今回の旅はムダ足に終わったみたいです。ご褒美をもらい忘れたのが大きな痛手となったようでした。
まあ、仕方がないので、勇者は再び歩き出しました。それが勇者というものです。
その後、この国に勇者はもうやって来ませんでした。でも、きっとどこかの大地を今日も旅しているのでしょう……。
THE END
キーワード:なし
高校の音楽の授業中に音楽を聴いていたら突然思い浮かんだおはなしです。
もうちょっと文章をふつうにすればまだ正常な物語になったかもしれませんが
今回のテーマは「小学校時代にプリントの裏に書いた物語風」なわけでして
そこらへんはてきとーに意味不明にしてあります。
キーワードなどの設定はしてません。でもちょーど1時間で書き終わったので掲載。
「虎の穴」については私は何も知りません。おわり。
2008/11/18/Tue